目の上のくぼみ

はじめに

目の上が凹んでいる状態をサンケンアイ(sunken eyes)と言います。目の上の凹みは、腱膜性眼瞼下垂を伴っていることが多く、一見“疲れたような”印象を与えてしまいます。他院ではこの凹みに対し、ヒアルロン酸や脂肪注入を行う施設がありますが、トラブルも多く注意が必要です。 当院では、挙筋腱膜固定術で治療を行います。

なぜ凹むのか?

眼窩脂肪を包む眼窩隔膜と挙筋腱膜が融合していて、腱膜性眼瞼下垂が生じれば、挙筋腱膜が眼窩隔膜とそれに包まれる眼窩脂肪を目の奥に引き込むためです。また遺伝性も指摘されており、両親のどちらかに目の上の凹みがあれば、サンケンアイ(sunken eyes)になる可能性があります。

適応

  • ①目の上が凹んでいる
  • ②凹みによって重瞼ラインが3重あるいは複数になっている。または不整や消失している
  • ③夕方になると凹みが強くなり、瞼が少し開きにくくなる(日内変動がある)
  • 上記①・②を認め日内変動がなく、常時凹みが強い場合や、上まぶたの下垂が中等度以上で、かつ凹みがある場合は、挙筋腱膜固定術が適応になります。

    丸山医師が行わない目の上の凹みの施術について

    それは目の上の凹みへの脂肪やヒアルロン酸などの注入です。目の上が凹んでいても安易に注入物を入れて代用してはいけません。例えば自家脂肪移植です。脂肪注入はいくら自分の脂肪とはいえ、体内から取り出せばそれは異物です。しかも注入した脂肪の40~50%は吸収されます。また均等に吸収されれば良いですが、均等に吸収されなければ凹凸が生じます。一方でヒアルロン酸などは、大量に注入すれば吸収されずに残りますし、失明などの危険性もあります。私のクリニックでは、他院でヒアルロン酸を注入され「逆に膨らみすぎた」、注入された脂肪が多すぎて「目の形が変形した」など様々なトラブル症例の修正を行っています。また話を聞くと、『凹んでいるから注入物でしか改善しない』と思っている方がたくさんいます。私が行っている方法でも注入することなく改善するので、もう一度よく検討して下さい。【丸山】

    挙筋腱膜固定術の方法

    挙筋腱膜前転術の解剖イラスト

    挙筋腱膜前転術の解剖画像

    下段は目の解剖です。挙筋腱膜の下にミュラー筋があり、上方には眼窩脂肪を認めます(サンケンアイでは眼窩脂肪の除去は禁忌)。挙筋腱膜は先端は薄く徐々に分厚くなります(*)。 (*)挙筋腱膜と瞼板とを糸で縫着する時(前転時)の重要なポイントになります。画像をみてもわかるように、出血を出来るだけ抑えることで、術野が綺麗に見えますし、術後の腫れを予防できます。

    手術は局所麻酔で行います。基本的に重瞼ラインを切開しますが、3重、複数、不整、消失などがなければ瞼縁から8~10mmを切開します(サンケンアイの場合は、皮膚のたるみがあるわけではないので、皮膚切除は行いません)。瞼板から挙筋腱膜を剥離し、続いて挙筋腱膜とミュラー筋の間を剥離します。挙筋腱膜だけを前転して瞼板にナイロン糸で再固定します(ナイロン糸は体内に残しておいても問題ありません)。最後に皮膚をナイロン糸で縫合します。抜糸は5日目でおこないます。

    ※目の手術の後に気をつけることは血液循環がよくなること(入浴・飲酒・激しい運動など)は2~3日は避けて下さい。コンタクトレンズの使用ですが術後最低3週間避けて下さい(ハードコンタクトレンズの長期使用は眼瞼下垂の原因になる可能性があるのですすめません)。抜糸前後のお化粧は控えてください。

    ■症例1 挙筋腱膜固定術(サンケンアイ症例)
    施術前 施術後

    BEFORE

    AFTER :施術後2カ月

    目の上の凹み(サンケンアイ;sunken eyes)があり、もまた目が開きにくくなっていました。挙筋腱膜固定術を行いました。サンケンアイと目が開くようになりました。また二重のラインがきれいに整いました。

    ■症例2 挙筋腱膜固定術(左右差のある右眼サンケンアイの症例)
    施術前 施術後

    BEFORE:通常の状態

    目を閉じた状態

    右目の挙筋機能が低下し、瞼縁が瞳孔にかかっています。また左右共に目の上の凹み(サンケンアイ;sunken eyes)があり、特に右目が顕著だったため、右目のみ挙筋腱膜固定術を行いました。

    症例 症例2 症例

    BEFORE

    AFTER :施術後1週間

    AFTER :施術後1カ月

    手術後の経過を確認すると、術後1週間では内出血を認めますが、まぶたの開きは良くなり、瞼縁は瞳孔にかかっていません。目の上の凹みの改善もみられます。術後1カ月後では内出血や腫れもおさまり、自然な仕上がりになりました。

    施術前 施術後

    BEFORE:通常の状態

    AFTER :施術後1カ月

    ■症例3   眼瞼下垂を伴うサンケンアイの治療

    BEFORE

    BEFORE :最大に開けた状態

    眼瞼下垂を伴うサンケンアイの症例です。目の上の凹み(サンケンアイ)の症状により、年齢よりも老けて診られるということでした。所見として、目の上の凹み(サンケンアイ)、重瞼ラインが広い、また目を大きく開いてもらっても殆ど通常の状態と変わりません。これは眼瞼下垂の状態です。手術は局所麻酔下にて挙筋腱膜固定術を行います。

    BEFORE :デザイン(開瞼)

    BEFORE :デザイン(閉瞼)

    デザインです。瞼縁から約6mmにデザインします。このようなサンケンアイの症例では皮膚を切除しません。目が開きにくい原因が皮膚のたるみではないためです。

    BEFORE

    AFTER :施術後1カ月

    施術後1カ月では重瞼ラインが下がり、目の開きが良くなっています。また目の上の凹み(サンケンアイ)が改善しています。 かなり若返った印象です。

    BEFORE

    AFTER :施術後1カ月

    術後1カ月の傷ですが重瞼ラインとして落ちています。時間の経過とともにさらに目立たなくなるでしょう。

    BEFORE :最大に開けた状態

    AFTER :施術後1カ月(最大に開けた状態)

    眼瞼下垂によって開きにくかったため、術前では前頭筋を使って(眉毛の挙上とおでこのしわ)目を開けていましたが、これらも改善されています。

    ※before&afterの画像は参考画像であり、症例により効果や満足度は異なりますのでご了承下さい。

    リスク・副作用・合併症について

    内出血、腫脹、左右差、浅い重瞼線、深い重瞼線、不整な重瞼線(予定外重瞼線)、不整な瞼縁(アーチ)、開瞼抵抗、低矯正(目の開きが悪い)、過矯正(目が開きすぎる)、角膜炎、ドライアイ、傷の哆開(しかい;傷が開く)、瘢痕形成(傷の肥厚や陥凹など傷跡が残る可能性がある)、中縫いの糸が出てくることがある、縫合糸膿瘍、眼瞼痙攣、抑うつ・不眠など自立神経症状、頭痛、目の奥の痛み、ヘリングの法則、自分が想像していた結果と異なるなどが考えられます。
    *凹みが完全になくなるわけではありません。

    価格(税込)

    目の上の凹み治療(挙筋腱膜固定術) 両側 ¥495,000

    ※片側だけの場合は上記の価格の60%です。