二重まぶたは、目を開ける際にまぶたを上げる筋肉(上眼瞼挙筋)が収縮することによりできます。
上眼瞼挙筋の末端は「挙筋腱膜」といって瞼板に付着するのですが、その前に皮膚に向かって枝をだします。上眼瞼挙筋が収縮するとまぶたが引き上げられると同時に、皮膚に向かう枝も引き上げられるので、皮膚に溝(重瞼線)ができるのです。この枝ですが、皮膚に付着する位置によって二重の幅が異なります。上の方についていれば“幅広”に、下の方についていれば“幅狭(奥二重)”になります。
手術は局所麻酔で行います。瞼縁から8~10mmの高さの位置に、片側2箇所ずつ(両側4箇所)の約2mm程度の皮膚切開を加えます。糸を内側の結膜側から約10mmの幅で挙筋または瞼板の中を通し、外側の結膜側から糸を出します。次に先に糸を通した結膜側の2箇所の同じ針穴から、それぞれ皮膚側に向かって糸を通します。最後に皮膚側内側の同じ針穴から糸を皮下に通し、皮膚側外側から出し結び埋め込みます。
~ドクターメモ①~
眼鏡をかけるのは術後ではなく、術前から!
二重まぶたの整形をしてから眼鏡をかける方がいますが、それでは“いかにも”であり、“不自然”ですよね。二重まぶたの整形をする前から眼鏡をかけて、周囲に“時々眼鏡をかける人”だと印象づけておきましょう。
~ドクターメモ②~
アイプチはまぶたを分厚くするので、ラインがつくりにくい
毎日アイプチをしていると、まぶたの皮膚は慢性的な炎症を起こします。炎症は血管を新生し、まぶたの皮膚は分厚くなります。この状態で埋没法を行うと、血管が新生しているので、出血や術後の腫れの原因になります。またまぶたが分厚くなるということは、例えるなら、分厚い布団と薄い布団では、薄い布団のほうが折りたたみ易く、分厚い布団は折りたたみにくいってことです。つまり皮膚が分厚くなればなるほど、二重のラインがつくりにくいのです。
~ドクターメモ③~
二重まぶたのラインと目頭との関係
二重まぶたの平行型と末広型を作る時には、目頭との関係が重要になります。目頭の角度がより鋭角だと平行型がつくりやすく、角度が90度に近づくほど末広がりになります。角度が90度に近くなればなるほど、蒙古ヒダが形成されている場合が多く、無理に平行型にしようとすれば、仕上がりのラインは“への字”になり不自然です。術前にシミュレーションする際に、しっかりと伝えておく必要があります。
~ドクターメモ④~
重瞼術や脂肪(ルーフ;ROOFや眼窩脂肪)除去が適応になる場合
瞼縁(まつ毛)と眉毛の距離がかなり近く、横からみて上まぶたが凸の場合は、施術を行うと中央部が直線になる可能性が希にありますので、シミュレーションして本人に伝えます。この二重のラインが直線状になる理由は、皮膚や脂肪(ルーフ;ROOFや眼窩脂肪)が原因のことが多く、切開による重瞼術や脂肪(ルーフ;ROOFや眼窩脂肪)除去が適応になる場合もあります。
Q:挙筋法と瞼板法の違いは?
A:挙筋法は、もともと自然な二重まぶたは上眼瞼挙筋の末端組織(挙筋腱膜)の一部が皮膚にむかって付着しています。上まぶたを引き上げると、上眼瞼挙筋が収縮し、この挙筋腱膜の一部も引っ張られて二重ができるのです。挙筋法は本来の解剖学的な状態と近いといわれています。一方、瞼板法は、糸の固定源はしっかりしているのですが、挙筋法と比べ解剖学的な二重ラインの位置の相違があります。
Q:埋没法は半永久的ですか?
A:埋没法は挙筋法であれ瞼板法であれ、糸をかけて人工的に二重をつくっています。そのため繰り返すまばたきや、目をこすったりすることで緩む可能性があります。しかしクセがつくと安定して何年も効果は持続します。年齢を重ねると、徐々にラインが下がってくることで「糸が緩んだのでは?」と思いますが、上まぶたの皮膚がたるみ重力で下がってくるためです。
Q:埋没法は何度もできますか?
A:複数回のかけ直し等は可能ですが、プチ整形とはいえ針や糸が通るわけですので、何度も行えば組織ダメージがあります。何度行っても糸が緩んだり、外れたりする場合は切開による重瞼術を検討してもよいかもしれません。
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BEFORE |
AFTER :3週間後 |
術前は完全な一重まぶたです。左右共に黒目の内側端からラインがでるようにシミュレーションしました。挙筋法により綺麗な末広型の二重まぶたになりました。
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BEFORE |
AFTER :施術後2週間 |
術前は完全な一重まぶたです。左右共にできるだけ目頭からラインがでるようにシミュレーションしました。挙筋法により少し目も大きくなり、少し外側が広めの綺麗な末広型の二重まぶたになりました。
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BEFORE |
AFTER :施術後1週間 |
少し平行で末広がりの綺麗なラインに落ち着きました。
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AFTER :施術後1ヵ月 |
右は完全な一重まぶたで、左は黒目の中心からラインがでていて、左右非対称でした。目頭の角度がかなり鋭角であり平行型をシミュレーションしました。挙筋法により左右対称で、綺麗な平行型の二重まぶたになりました。
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BEFORE |
AFTER :施術後2週間 |
右は完全な一重まぶたで、左は目頭から黒目の中心からラインがでていて、左右非対称でした。目頭の角度がかなり鋭角であり平行型をシミュレーションしました。挙筋法により左右対称で、綺麗な平行型の二重まぶたになりました。
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AFTER :施術後9日 |
右は黒目の内側端からラインがでていて、左は奥二重で左右非対称でした。夕方になるとアゴをあげて見るようになり、“軽い眼瞼下垂”の症状を認めました。また目頭の角度は大きいために末広がり型をシミュレーションしました。挙筋法により左右対称で、綺麗な末広型の二重まぶたになりました。上まぶたの皮膚が折り畳まれ、瞼縁と眉毛の間も近くなり、眼瞼下垂の症状も改善しました。
※本人は切開することに抵抗があり、今回は埋没法(挙筋法)を選択しましたが、今後眼瞼下垂の症状が再発するようなら挙筋腱膜前転術(切開による)も必要になるかもしれません。
■挙筋法
内出血、腫脹、左右差、糸がゆるむ、糸が外れる、浅い重瞼線、深い重瞼線、不整な重瞼線(予定外重瞼線)、目の開きが悪い、医原性眼瞼下垂、眼瞼痙攣、抑うつ・不眠など、自立神経症状、頭痛、角膜炎、ドライアイ、瘢痕形成(糸を通す部分に数㎜の白い傷跡が残る可能性がある)、自分が想像していた結果と異なるなどが考えられます。
■瞼板法
内出血、腫脹、左右差、糸がゆるむ、糸が外れる、浅い重瞼線、深い重瞼線、不整な重瞼線(予定外重瞼線)、医原性眼瞼下垂、眼瞼痙攣、抑うつ・不眠など自立神経症状、頭痛、角膜炎、角膜潰瘍、ドライアイ、瘢痕形成(糸を通す部分に数㎜の白い傷跡が残る可能性がある)、瞼板の変形、自分が想像していた結果と異なるなどが考えられます。
二重まぶた(埋没法)挙筋法 | 両側 ¥110,000 |
二重まぶた(埋没法)瞼板法 | 両側 ¥110,000 |
※片側だけの場合は上記の価格(税抜)の60%です。
※あくまで埋没法ですので、様々な要因(強くこすったり、まばたきが多い場合など)により糸がゆるむなどして、重瞼ラインが明らかに元に戻った場合、検診に定期的に来院していた場合は、¥5,500(税込)で留め直しを行います。
※診察した時に、たるみが強く挙筋法による埋没法が適応でない場合は、眼瞼下垂手術もしくは目の上たるみ手術になる場合もありますのでご了承下さい。そのような場合は当日の施術はできません。